5000万円のマンションの実質負担額を考える

2016.6.6更新
記事内容を一部修正・更新しました。
あっきー様、10年間の返済額のご指摘、ありがとうございました。

仮に5000万円のマンションを購入したとして、トータルの負担はいくらになるでしょう?

単純に考えると、上記の購入価格に加えて、諸費用や金利などが加わった5000万円以上の金額を負担するということになります。一般的なサラリーマンからしたら、大変な金額に感じられてしまうことと思います。

でも、これって、本当にそのマンションの価値が0円になるまで住み続けた場合の話になります。

少し考え方を変えてみましょう。
もし、10年後に売ると考えれば、負担金額はどうなるでしょうか。

5000万円の物件を購入として、手付金+諸費用で700万円、残りを35年返済の10年固定金利でローンを組んだ場合で3パターン試算してみました。

ケース1.購入時と同額で売れた場合

10年後に購入時と同じ5000万円で売れるとしたら、それまでの10年間での月々の実質居住費は約7万円となります。

実質居住費

これを安いととるか高いととるかは、人に夜のかもしれませんが、5000万円ともなると、それなりに高いグレードのマンションでしょうから、そこに月7万円で住めると思えば、非常にお得かと思います。

私が昔住んでいた、台東区の1K賃貸マンションでも月8万円はしました。
都内の賃貸で設備や立地など同条件で7万円と言う物件を見つけることはほぼ不可能ではないでしょうか?

 

ケース2.購入時から値下がりした場合

10年後に購入金額よりも1000万円下がり4000万円で売れるとしたらどうでしょうか?

実質居住費

それまでの10年間での月々の実質居住費は約15万円となります。
先ほどの購入時と同額で売れた場合の2倍以上の額です。

1000万円は大げさに見えるかもしれませんが、充分あり得る話です。
「新築プレミアム」なんて言われています。
新築マンションの販売価格には、売主の粗利と販売活動費(モデルルームや広告・宣伝など)を合わせて約20%分上乗せされて販売されています。

なので、引き渡された瞬間に2割も評価額が下がることもあります。
特にこの傾向は、郊外に多く、都心部に近くなればなるほどこのリスクは少なくなると言われています。

 

ケース3.購入時から値上がりした場合

では、10年後に購入金額よりも1000万円上がり、6000万円で売れるとしたらどうでしょうか?

実質居住費

これは、居住費が無料を通り越して、手元に約140万円の利益が残ります。
2900万円で140万円。。。利回り4.8%程度です。

本来、居住費はいくらかかかるものですから、それも考慮すると、利回りはもっと高くなるでしょう。

居住費がタダになるだけでも凄いのに、逆に月1万円強の収入が入ってきちゃいます。
無料で新築の最新式の設備が揃い、分譲ならではのしっかりした造りのマンションに10年間住むことができ、さらに毎月1万円のお小遣いがもらえるのです。

そんな美味しい話が・・・

と思う方もいるかもしれませんが、こうゆうことをしている人がいるのが現実です。なんか悔しいですよね!!

ちなみに10年落ちの売却時に6000万円もの値が付くお部屋ですから、賃貸で同じグレードのお部屋を探すとなると、安くても月々20万円程度はかかるのではないでないでしょうか。そう考えると、まさに天国と地獄・・・賃貸よりも断然お得と考えられますね。

 

将来の売却時を考えることが重要

上記のシミュレーションはあくまで一例です。全てのマンションに当てはまるケースではありません。
年収や選ぶローンによっても収支は変動してきます。

注意しなければならないのは、将来いくらで売れるかによって、月々の居住費負担額が大きく変わるということ。これがこのエントリで言いたかったことです。

いつか手放す時が来るかもしれません。
そんな時に、
”希望額で売れない”だったり”そもそも買い手すら見つからない”なんてことになる可能性(=リスク)もあることは忘れてはいけません。

ただ、物件と購入タイミングさえ間違わなければ、実質負担額を減らし、本当にうまく行けば10年間の居住費をタダに近づける事も可能なのです。

このように考えると、購入金額の「高い」「安い」を考えてもあまり意味がないことがわかります。将来高く売れるものを選んだ方が実質の負担を減らすことができるのです。
売却時のことを考える

「余裕をもってローン返済できる安い物件」を探す事も間違いではありませんが、「将来、価値がさがらない物件」にこだわることの方が、これからの時代のマイホーム選びでは大事になってくるのではないでしょうか。