前回(売却時のことを考える その1)からのつづき・・・
アベノミクスで土地の値段が上がったという話を聞きますが、それは都心の一等地の話。郊外の土地の値段は下がり続けています。
それは、なぜか?
理由は明確で、人が都心に流れてきており、郊外への需要が薄れてきているから。
日本という国が、人口が増え続けている国であれば、都心部だけでは住宅供給が間に合わず、必然的に郊外需要も伸びていくでしょう。
しかし、日本は今後、人口の継続的な減少が予想されています。
日本の人口は2006年をピークに緩やかに下降して行き、2010年には1億2712万人、2030年には1億1522万人、2050年にはついに1億人を割り、9515万人になってしまうといわれています。
それに加えて、新築信仰が強い日本の住宅事情。
すでに供給過剰で空室率が問題視されています。2014年時点で空室率13.5%と総務省から発表されました。7〜8戸に1戸が空き家になっている状態で、深刻な数値と言えるでしょう。
そんな話、過疎地だけの話と思われる方もいるかもしれませんが、東京都でも空室率は10.9%で、9戸に1戸が空き家ということになっています。
これって結構ヤバいですよね!!
現時点でも住宅が余っている状態で、今後さらに人口が減るという状況…
住宅が余り、買手市場となれば、多くの人々は利便性を追い求めさらに都心に流れ込んでくることでしょう。
通勤に時間もかからず、商業施設も充実している都心。人口が減り、荒廃が進む郊外。
もはや、郊外に住む理由が見つからないですよね・・・
そんな時代に郊外に家を持っている人はどうなるか。。。
- A:家を売却して都心に移り住む
- B:そのまま住み続ける
A「家を売却して都心に移り住む」を選択する場合は、また新たに家を購入するということで大きなお金がかかりますし、そもそも需要が薄くなっている土地に買い手が見つかるかも不安材料です。
B「そのまま住み続ける」を選択する場合は、近隣の空き家化が進み、マンションなどでは1戸あたりの管理費や繕積立金の負担率が大きくなり、住みにくい町として最終的に過疎化。医療サービスや商業施設なども需要の現象に伴い減っていく事で、不便な生活を強いられることになるかもしれません。
このように、今の時代情勢の中で、安いからという理由で郊外に永住を前提に売却を考慮せずにマイホーム買うことは、将来に大きなリスクを抱えてしまう危険性があると私は考えています。
(あくまでもいくつかの不動産著書を参考にした、個人的な見解ですのでご了承ください。)
私は、購入時の安さや広さという目で見てわかりやすい価値ばかりを求めるのではなく、将来、自分の家族を守ってくれる資産となるか?という観点から、物件選びをしていきます。