新国立競技場のキールアーチ代1500億円でできたこと・・・

 

新国立競技場の費用がいかに高かったのか突き詰めてみようシリーズ』第2弾!

第1弾「新国立競技場のキャンセル費59億円でできたこと・・・」はこちら

 

ザハ・ハディド氏デザインによる新国立競技場案は、白紙撤回されました。

2500億円以上にも膨らむ建設費が白紙の要因ですが、そのうちの大半が「キールアーチ」と呼ばれる屋根をささえる2本の長いアーチ構造でした。

▼問題となった屋根工区「キールアーチ」

建築コンサルタントの森山高至氏らによると、新国立競技場のキールアーチは長さ370メートル、直径7メートル、重さ約3万トン。これは、東京スカイツリー(高さ634メートル、重さ約4万トン)の半分ほどのスケールの巨大構造物を2本、建設現場で造ることになります。

キールアーチは単なる競技場デザインのためで、一般的な競技場なら一切必要ないものです。キールアーチを含んだ屋根の部分を竹中工務店が請け負う予定でしたが、専門家の試算によると2本で1500億円になるともされていました。

1500億円といわれてもスケールが違いすぎて、いまいちピンと来ない方もいるのではないでしょうか?そこで調べてみました。

 

1500億円あれば、一体何ができるのでしょうか・・・

 

東京タワー 167億円

東京タワー 建設費

正式名称は日本電波塔です。東京タワーは昭和32年に着工、翌33年に開業した、高さ333メートルの当時としては他に並ぶものもない大型建造物でした。天を突くように大地にそそり立つ姿はまさに東京のシンボルといっても過言ではなく、今でもスカイツリーの開業までは日本一の構築物とされています。その総工費には当時のお金で約30億円かかったといわれ、延べ人数約21万人の手によって作られています。

 

美ら海水族館 170億円

美ら海水族館 建設費

画像引用:美ら海水族館公式HPより

「美ら海水族」は沖縄本島北西部にある日本最大級の水族館です。2002年の開園から大人気の施設で、今では沖縄の定番観光スポットとなっています。水族館の目玉は、体長6.6メートルのジンベエザメ3頭とマンタ(オニイトマキエイ)4匹、マグロなどが泳ぐ水深10メートル、幅35メートル、水量7500トンの世界最大級の水槽で、2005年(平成17年)にアメリカのジョージア水族館が開館されるまでは世界最大の水族館でした。

 

はやぶさ(探査機) 210億円

はやぶさ(MUSES-C) 建設費

画像引用:JAXA公式HPより

「はやぶさ」(MUSES-C)は、小惑星探査を目的に開発された探査機です。2003(平成15)年5月9日に打ち上げられた「はやぶさ」は、目標の「ITOKAWA」に到着し、科学観測を実施しました。その結果は、日本ではじめて科学誌「サイエンス」に特集され、重力や表面の様子など、小惑星についての数多くの新たな知見が明らかになりました。「はやぶさ」は2010年6月13日に地球へ帰還し、搭載カプセルをオーストラリアへ落下させ、その運用を終えました。

 

東京スカイツリー 650億円

スカイツリー 建設費

地上アナログ放送の終了に伴うデジタル放送用の電波塔で、その高さは634メートルで、これは自立した鉄塔の高さとしては世界一、建築物としても横浜のランドマークタワーの296メートルを軽く上回り、日本一です。スカイツリーという名称は一般公募で決まりました。2008年に着工し、2012年2月に竣工、5月に開業。今では、東京の新名所として、大人気の観光スポットになっています。

 

 

丸ビル 650億円

丸ビル 建設費

東京駅の目の前、東京都千代田区丸の内二丁目に所在する、三菱地所保有の東京を代表するオフィスビル。1999年(平成11年) に三菱地所が「東洋一のビル」と言われていた旧丸ビルを取壊して、建替えに着手する。2002年に建て替えられ、都市計画の特定街区制度を活用し、都市計画の指定容積率を超える大規模・高層化を行いました。
平日・休日ともに多くの人で賑わう名所です。

 

国会議事堂  690億円

国会議事堂 建設費

地上3階、地下1階、中央塔4階の国会議事堂が完成したのは、今から80年前の1936年。20年近い歳月をかけ、延べ人数254万人を動員して建築された。当時、高さでは日本一、広さは丸ビルに次ぎ2番目だったと言われています。
その建築費は、今のお金になおすと約690億円となります。
この国会議事堂には、全国から集められた石や木材が使われており、壁や廊下には花こう岩や大理石、床や階段の手すりなどには古生代の貝類やサンゴといった化石がちりばめられているとも言われており、今では金額以上の価値があるだろうし、もしかするとお金には換算できないかもしれない・・・

 

 

パシフィコ横浜 845億円

パシフィコ横浜 建設費

1991年、横浜みなとみらいに誕生した、世界最大級の国際会議場と展示ホールとホテルからなるコンベンション・センター。
主に国際会議やコンサート・展示会などが開かれ、また、テレビドラマのロケに使われる場合も多いようです。展示会やイベントの招致に苦戦する幕張メッセと比較して、業績・稼働日数ともに堅調に推移しているようです。

 

渋谷ヒカリエ  1000億円

渋谷ヒカリエ 建設費

「渋谷ヒカリエ」は2012年に渋谷に誕生。鉄道8路線が乗り入れる日本有数のターミナルである渋谷駅東口に位置する、地上34階、地下4階の高層複合施設です。下層がショッピンフロア、上層がオフィスフロアとなっており、平日・休日ともに多くの人で賑わっています。
周辺の坂状の地形を活かし、渋谷駅や明治通り、宮益坂、青山方面等、渋谷の街の個性を演出する多様な街と、5つのフロアで接続する歩行者ネットワークを形成するとともに、縦方向の移動を容易にする地下3階から地上4階に亘る吹き抜け空間(アーバンコア)を整備しています。また、隣接する渋谷駅の自然換気機能を内包し、敷地面積の約30%を緑化するなど、先進の環境性能も備えています。

 

 

瀬戸内kirei太陽光発電所 1100億円

瀬戸内KIREI太陽光発電所 建設費

画像引用:GE公式HPより

日本最大級の発電出力、瀬戸内メガソーラープロジェクト。
2014年 11月に着工し、2019年第 2四半期に商業運転の開始を予定しています。メガソーラー施設とその関連施設の建設及び堤防補強工事は、東洋エンジニアリングと清水建設が施工を行い、総事業費は約 1100 億円を見込んでいます。

 

 

レインボーブリッジ 1232億円

レインボーブリッジ 建設費

レインボーブリッジは、東京の芝浦ふ頭とお台場を結ぶ連絡橋として1993年(平成5年)8月26日に開通しました。
レインボーブリッジの橋の長さは約800メートル。橋を支える主塔の高さは120メートルで、これは40階建ての超高層ビルとほぼ同じ高さなので、いかに大きな構造物であるかがわかります!また、上下2層構造で上層には首都高速11号台場線が走っています。下層は中央部に新橋=豊洲間を結ぶ新交通システムゆりかもめが走行、その両側に臨港道路海岸青海線が通っています。
ちなみに、レインボーブリッジという名前で親しまれていますが、「東京港連絡橋」という正式名称があります。

 

 

東京ディズニーランド 1580億円

東京ディズニーランド 建設費

千葉県浦安市にある東京ディズニーシー などと共に東京ディズニーリゾートを形成するディズニーパークです。1974年に京成電鉄、三井不動産、三井物産の連名でウォルト・ディズニー・プロダクションズ社(当時)首脳に来日要請し、1980年に着工、1983年に開園。以降絶大なる人気を誇る、日本を代表するテーマパークとして君臨しつづけています。おそらくこの存在を知らない人はいないのではないでしょうか?「夢の国」とも揶揄されるその圧倒的な世界観やホスピタリティは、多くのリピーターを呼び、世界のテーマパーク・アミューズメントパークの中でも、マジック・キングダムに次ぐ世界2位の来場者数を誇っているようです。すごいですね・・・・

 

 

 

う〜ん・・・

いかがでしたでしょうか?
美しい屋根の構造に1500億円かけるのであれば、メガソーラーやディズニーランドでも作ったほうが、経済効果にもつながるし、よっぽど有意義な気がします。。。

やはり一般サラリーマンと政府官僚では、この辺りの価値観って違うんでしょうね〜・・・

 

次回、『新国立競技場の費用がいかに高かったのか考えてみようシリーズ』第3弾! へつづく