コンパクト五輪のはずが…広域開催化がさらに進む東京五輪

 

建設費の高騰で膨れ上がるコストの圧縮が最大の理由で、選手村から半径8キロ圏内に主要会場を整備する「コンパクト五輪」が見直されています。

 

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招致時のコンパクト五輪構想

 

6月8日、国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、2020年東京五輪の9競技の会場が新たに承認されました。

  • サッカー・・・新国立競技場、味の素スタジアム、札幌、宮城、埼玉、横浜、
  • セーリング・・・江の島ヨットハーバー(神奈川県藤沢市)
  • バドミントン・・・武蔵野の森総合スポーツセンター(東京都調布市)
  • トライアスロン・・・お台場海浜公園(東京都港区)
  • レスリング・・・幕張メッセ(千葉県千葉市)
  • フェンシング・・・幕張メッセ(千葉県千葉市)
  • テコンドー・・・幕張メッセ(千葉県千葉市)
  • 7人制ラグビー・・・味の素スタジアム(東京都調布市)
  • 水泳・・・オリンピックアクアティクスセンター、東京辰巳国際水泳場、お台場海浜公園

 

すでに決まっていた18競技に加え、これで実施が決まっている28競技のうち、自転車とサッカー1次リーグの一部を除く26競技の会場が確定したことになります。

当初、ビッグサイトで開催予定だったレスリングやフェンシング、テコンドーが幕張メッセに変更されたり、江東区若洲で開催予定だったセーリングが江ノ島に変更されています。

招致時には半径8キロ圏内に約8割の会場が集中するコンパクト五輪を掲げていたが、開催都市の費用削減をめざしたIOCの中長期改革「五輪アジェンダ2020」に沿って会場の再検討が進められました。当初の計画では選手村から半径8キロ圏内に会場を集中させるとした「コンパクト五輪」を掲げていましたが、事実上取り下げた形になってしまいました。

 

今後は、サッカー1次リーグの会場が茨城県鹿嶋市や愛知県豊田市、大阪府吹田市などかさらに検討・調整されているほか、自転車競技のトラックなど一部種目を静岡県伊豆市で開催されことが検討されています。