都心部に地下鉄の新設、2路線検討される
国土交通大臣の諮問機関、交通政策審議会は将来、首都圏で整備すべき鉄道網の在り方について今年度、15年ぶりに答申をまとめることにしていてます。これに対し、東京都の舛添知事はオリンピック・パラリンピックに向けて開発が進む臨海地域に都心部から乗り入れる路線など2つの地下鉄路線の整備を新たに検討すべきだとして、審議会に提言していくことを明らかにしました。
▼舛添都知事の定例会見より抜粋
「『整備について検討すべき路線』として、14路線を挙げています。さらにこれまでの審議会答申に加えまして、2点特筆したいことがあります。都心部~品川地下鉄構想と、都心部~臨海地域地下鉄構想。この2路線を国の交通政策審議会に対して反映してもらえるように求めていきたいと思っています」
今回発表された検討対象路線一覧
■整備について優先的に検討すべき路線
- 東京8号線延伸(豊洲~住吉)
- 東京12号線延伸(光が丘~大泉学園町)
- 多摩都市モノレール延伸(箱根ヶ崎方面)
- 多摩都市モノレール延伸(町田方面)
- JR東日本羽田アクセス線 <現答申外>
■整備について検討すべき路線
- 東京8号線延伸(押上~野田市)
- 東京9号線複々線化(和泉多摩川~新百合ヶ丘)
- 東京11号線延伸(押上~松戸)
- 新空港線「蒲蒲線」
- JR中央線複々線化
- JR京葉線延伸
- JR総武線・京葉線接続新線
- 東京10号線複々線化(調布~笹塚)
- 東京12号線延伸(大泉学園町~武蔵野線方面)
- 区部周辺部環状公共交通
- つくばエクスプレス延伸
- 多摩都市モノレール延伸(八王子方面)
- 都心部・臨海地域地下鉄構想 <現答申外>
- 都心部・品川地下鉄構想 <現答申外>
オリンピック・パラリンピックに向けて開発が進む臨海(湾岸)地域や、JR山手線の新駅の建設が計画され、再開発が急速に進む品川駅周辺に、それぞれ都心部から乗り入れる2つの地下鉄路線の整備を新たに検討すべきだとしています。
そして、あくまでも東京都の見解ですが、東京都が独自に算出した需要予測からみた目標への「寄与度」「収支採算性」「費用便益比」の3つの評価項目で、都心部の2路線についてはオールA評価!!
東京都として、この2つのエリアへの期待値は相当大きいことが伺えますね!
ゆりかもめの延伸は・・・
一方で、長年にわたり話が出てきていた「ゆりかもめの延伸」については、今回は残念ながら見送ることとなったようです。
ゆりかもめの延伸では、豊洲や晴海・勝どきエリア、そして既存のゆりかもめ沿線エリアに便益が広がりますが、都心部・臨海地域地下鉄構想と比べると、既存の地下鉄ネットワークとの結節なども考えられ、より広範囲へ便益が広がると考えられ、都心部・臨海地域地下鉄構想に軍配が上がったようです。
どっちに転がっても、勝どき・晴海・有明エリアにとってはプラス材料でしたね。そして、有明意外のゆりかもめ沿線や豊洲の住民にとっては、少し残念な結果となってしまったのではないでしょうか?
BRTとの棲み分けは?
BRTはオリンピックまに向けた急務としての交通整備でしかなく、オリンピック後まで見据えた場合に、定時性や輸送力の面で、鉄道が必要になるという考えだそうです。
▼都心部2路線について「詳細の経緯を」との記者からの質問に対して
「豊洲、有明、晴海、ま、大変な開発進んでいまして、ご承知のように、人口も急増して住ニーズが増えている。BRTを入れるということで。というのは、鉄道を作るというのは相当時間かかるので、4、5年で間に合う話ではありません。しかし、2020年がゴールではなくて、さらにその後、発展を遂げていくということになりますと、やはりこのあたりに来るのに、鉄道、具体的には地下鉄と、こういうものが必要ではなかろうかということで検討しようということです。やはり、公共交通機関使っていても、どうしてもやはり、バスというのは時間的に早く終わりますね。そして、交通渋滞や何かで時間の定時制というのはどこまで守れるかっていうのがあるから、やはり鉄道というのは時間しっかりしているし、かなり遅くまでやっている。朝早くからやっているというようなこともあるし。それから輸送力が全然違います。そうですね、バス1台と、何両もの車両があるので。だから、そういう意味でここが1つ。
それから先ほど申し上げましたように、品川、田町、これの間に新駅ができると。この前、下水道の施設の上にビルを建てるというところをご紹介いたしましたけれども、このあたりが非常に、今から、開発の1つの拠点になる。電車でもそうなのですけれども、意外と品川に行くというのは、山手線とか使って行ったりできるのですけれど。では、ほかのアクセスはどうなんだというと、地下鉄で品川行くというのは非常に不便ですね。だから、このあたりへ行くというような、意外と都心の中でも、不便なところはいっぱい、そういう意味ではあるので、今は地下鉄が来ましたけれど、昔、港区の白金台あたりというのは、地下鉄で行くのは非常に(不便でした)、今でも、バスじゃないと行けないっていう場所はのは結構あり、そういう意味で大きなニーズがあるから、ここはやはり、地下鉄構想というのは、この2つは合っているのではないかと、そういうことです。」
今後の進展次第で不動産価格も動きそう・・・
まだ新路線が決定したわけでもないですし、東京都として審議会に提出することが決まっただけなので、何とも言えませんが、その後の進展・結果次第で、不動産価格は大きく変わるのではないでしょうか?とくに臨海部の晴海エリアについては昔から交通利便性が低い低いと揶揄されており、中央区でありながら不動産価格はそこまで高くなっていません。(仕事の都合でよく晴海エリアには行くのでこの近辺の交通不便さについてはそれなりに実感しているつもりです)
あくまで簡易表記なのでしょうが、東京都の資料では、晴海通り沿いを新路線が通るような表記になっていますので、毎朝大量のサラリーマンの群れが歩道を占領して向かっている、晴海トリトンスクエアのあたりにできる可能性が高いのではと勝手に予想しています。
もし仮にそうなった場合は、『DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)』や『ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス/ティアロレジデンス』、『パークタワー晴海』あたりは利便性が大幅に上がり、価格上昇する可能性もありますね。
ただ、『DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)』はこの辺の開発もある程度折り込み済で、すでに近隣相場よりもかなり高めの価格設定で、この新路線の角度が高まればさらに価格をつり上げてきそうな予感がします。
⇒DEUX TOURS CANAL&SPA(ドゥ・トゥール) WEST棟 第1期・2期 先着順価格表
『パークタワー晴海』も、つい先日、販売延期を発表しましたので、このような背景をあらかじめ察していたのではないでしょうか?三井不動産は日本を代表するデベロッパーですから、都や国に対しても当然、顔も広いことでしょう。。。そして、新路線やBRTなど詳細が決まってきてから、それを販売価格に反映していきたいんでしょうね〜。(個人的には残念ですが、サラリーマン的視点から見れば、こうゆう狡猾な会社ほどこの社会では強く、生き残っていくものなんですよね・・・)
⇒パークタワー晴海、販売延期・・・
『ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス/ティアロレジデンス』ですが、クロノレジデンスは中古物件いくつか出てますが、平均で坪330くらいとかなり強気の価格設定で販売されているようですし、そうなると新築のティアロレジデンスが魅力的ですが、少し前にMRに確認したところ残り60〜70戸程とのことで、希望の部屋はなくなってしまっていたんですよね。。。現地の雰囲気は気に入っているのですが・・・
⇒ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス 現地写真集
今後どう動くか全くわかりませんし、焦りも禁物だとは思いますが、ある程度気になっている物件があるのであれば、早めに決断するということも必要でしょう。そういう決断力・判断力もマンション購入には必要な要素だと思います。
▼関連リンク
広域交通ネットワーク計画について交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ
舛添知事定例記者会見 平成27年7月10日(金曜) 14時00分~14時37分