知っておこう!家にまつわる税金の知識

弟子丸
税金??
あぁ、消費税が上がっちゃいますもんねぇ
弟子丸
えっ!そんなにあるんっスか?!
それはやばいです、給料上げてください。
部長
・・・・・・
弟子丸
・・・・・・・・・
部長
ただ、一定の条件を満たすと税金の軽減が受けられるから、購入する方が賃貸組よりも手取り収入は増えるかもな。
弟子丸
マジすか!!やった〜。
部長
でも、それには条件や手続き・申請が必要だから、それを知らないと損をしてしまう可能性もある。だから自分で勉強する必要があるんだ。

家を買うときには、各種税金が発生します。逆に一定の条件を満たすと税金の軽減が受けられたりもします。手続きや申請をすれば、入居後に税金が戻ったり、親からの援助で贈与税が無料になったりするおトクな特例もあるので、チェックしておきましょう。

※今回は新築のマンション購入を想定しています。

 

家を買う時にかかる税金

家の税金

人生で最大の買い物、マイホーム購入。購入時の金額も大きいですが、その分、税金もいろいろあります。

■消費税

これを知らない人はいないでしょう。家に限らず、なにかを購入する際に発生する税金。
5%から8%へ引き上げられたのもまだ最近な気がしますが、2017年4月1日から、消費税がさらに10%まで引き上げられます。
新築マンションの販売価格は、「土地代」「建物代」の2つが合わさって、ひとつの部屋の販売価格となっていますが、「土地代」は非課税、「建物代」にのみ消費税がかかっています。
(※詳しくは、増税前に家を買うへ)

 


■印紙税

売買契約や請負契約、金銭消費者賃貸借(ローン)契約の際に発生する税金。
ただし、2018年3月31日までの10万円以上の売買契約については軽減されます。

▼軽減後の税率

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 1千円 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 2千円 1千円
500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

 

 

 

■不動産取得税

不動産取得時、つまり買ったときに発生する税金。
取得後に自治体から納付書が送付されます。
ただし、2018年3月31日までなら、床面積50平米以上という条件を満たす事で税額が軽減されます。

【不動産取得税の計算方法】  (住宅の価格-控除額)×税率(3%)=不動産取得税額

▼控除額
最大1,200万円(価格が1,200万円未満である場合はその額)
※長期優良住宅認定の新築については、控除額最大が1,300万円まで引き伸ばされます。

例えば、

【4000万円の新築マンションの場合】
(4000万-1200万)×税率(3%)=84万円

【5000万円の長期優良住宅認定新築マンションの場合】
(5000万-1300万)×税率(3%)=111万円

不動産取得税の軽減を受ける為には・・・

住宅や住宅用土地を取得した日から原則として60日以内に、不動産取得税申告書に下記の必要書類を添えて、土地、家屋の所在地を所管する都税事務所(都税支所)・支庁に申告してください。

  • 売買契約書(土地売買契約書、土地付建物売買契約書など)
  • 最終代金領収書(売買代金分)
  • 平面図
  • 建築工事請負契約書
  • 建築確認済証
  • 検査済証
  • 登記事項証明書(建物)

※全て写しで可

 

■登録免許税

通常は引き渡しを受けるのと同時に所有権や抵当権の登記の申請を行ないますが、このときに必要となる税金。
所有権は土地・建物ごとに登記が必要です。
ただし、2017年3月31日までなら、登記上の床面積50平米以上という条件を満たす事で軽減されます。

【所有権の保存登記にかかる軽減税率】

床面積 税率 軽減適用条件
50平米以下 0.400% なし
50平米以上 0.015% ①自己居住用の住宅
②新築又は取得後1年以内に登記されたもの
③床面積(登記簿面積)50m2以上
0.010% 上の条件 + 長期優良住宅 or 認定低炭素住宅

新築マンションの場合の表示登記は分譲主(売主)がすべての部屋を一括して申請することになっていますが、その費用をそれぞれの部屋の買主に按分して負担させるケースと、売主がすべて負担するケースとがあるようです。

 

家を買った後にかかる税金

家の税金

念願のマイホームを購入!でも、購入したからと言って、ローンや管理費だけ払っていれば良い訳ではありません。購入時だけではなく、マイホームに住み続けて行く上でも税金が発生します。

■固定資産税

土地・建物を所有する人に毎年かかる税金。
毎年1月1日時点の所有者が1年間分の納税義務者となり、納税通知書にしたがって一括納付するか、年4回の指定月に分納します。

固定資産税の計算方法】  固定資産税評価額 × 税率(1.4%)= 固定資産税額

固定資産税評価】
「固定資産税評価額」となる価格は、購入価格ではありません。基本的には[評価額<購入価格]となります。
※税額計算の元になる固定資産税評価額は、3年に1度見直されます。

【税額の軽減措置】

1. 土地部分の軽減措置
マンションでは、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で割った面積で判定されます。
200㎡以下の部分は小規模住宅用地…評価額を1/6に軽減
200㎡を超える部分は一般住宅用地…評価額を1/3に軽減

2. 建物部分の軽減措置
2016年3月までに建てられた3階建て以上の耐火構造、準耐火構造の建物で、床面積が50㎡以上280㎡の場合、120㎡までの部分について、新たに固定資産税が課税される年度から5年度分の税額が2分の1に軽減されます。
120㎡を超える部分は減額されません。
また、長期優良住宅認定マンションの場合は、軽減期間が7年度分まで引き伸ばされます。

 

固定資産税は一括もしくは年4回(東京都の場合は6/9/12/2月)にわけて納税します。年額を毎月払いにできるわけではないのでご注意ください。事前に支払月を把握していないと、想定外の支出となります。

 

■都市計画税

土地・建物を所有する人に毎年かかる税金。
毎年1月1日時点の所有者が1年間分の納税義務者となり、納税通知書にしたがって一括納付するか、年4回の指定月に分納します。

【都市計画税の計算方法】
 固定資産税評価額 × 税率(0.3%)= 都市計画税額

都市計画税の支払いは固定資産税と同じタイミングとなります。一括もしくは年4回(東京都の場合は6/9/12/2月)にわけて納税します。年額を毎月払いにできるわけではないのでご注意ください。事前に支払月を把握していないと、想定外の支出となります。

 

トクできる!税金の特例たち

■住宅ローン控除

年末の住宅ローン残高に応じて、一定額が所得税から差し引かれます。控除期間は10年間で、2019年6月30日までに入居した人は、最大400万円までの控除が受けられます。ちなみに所得税から控除しきれない額は、住民税からも控除可能です。
さらに長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合は、控除額が最大500万円にまで引き上げられます。

【住宅ローン控除額の計算方法】  年末ローン残高 × 控除率(0.3%)= 住宅ローン控除額

住宅の種類 年末ローン残高上限 控除期間 控除率
①一般の住宅(平成27年以降入居の場合) 4,000万円又は2,000万円 10年間 1%
②認定長期優良住宅(平成27年以降入居の場合) 5,000万円又は3,000万円
③認定低炭素住宅(平成27年以降入居の場合) 5,000万円又は3,000万円

対象となる為の条件】

対象となるローン 住宅とその敷地の取得のための借入金であること。
返済期間10年以上の借入金であること。
下記の借入金融機関等からの借入であること。①銀行
②住宅金融支援機構
③信用金庫・信用組合・農協
④各種公務員共済組合
⑤地方公共団体
⑥勤務先(年利1%以上のもの)など
住宅の要件 床面積(登記簿面積)50m2以上、50%以上は居住用。
マンション等耐火建築物は25年以内、木造等耐火建築物以外は20年以内に建築されたものであること。この年数を超えている場合は、その住宅が(イ)新耐震基準に適合していることについて証明されたものや、(ロ)既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの、(ハ)耐震基準に適合しない既存住宅を取得した場合に、その取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、居住の日までに耐震改修工事を完了している等一定のものであること。
入居時期 取得後6ヶ月以内に入居、入居後引き続き住んでいること。
適用期限 平成31年6月30日までの入居。
その年の所得合計 3,000万円以下(給与の場合3,245万円以下)。
その他の特例との関係 その年の前後各2年間、合計5年間に前の自宅で3,000万円特別控除や特定居住用財産の買換え特例を使っている場合は適用できません。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除とは併用可能です。この場合、譲渡の年と翌年3年間は、譲渡損失の繰越控除を優先し、適用期間の残りの年に住宅ローン控除を適用することになります。

 

〈住民税からの控除〉
平成27年分以後にローン控除の適用を受ける者のうち、その年分のローン控除額からその年分の所得税額を控除した残額があるものについては、翌年度分の住民税について、次のとおり減額することができます。

居住年 控除限度額
平成27年1月~平成31年6月 所得税の課税総所得金額等×7%(上限13.65万円)

 

 

■贈与税の特例

20歳以上の人が親や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定額の贈与税が非課税になる特例です。2015年に住宅取得の契約をした場合の非課税枠は1000万円となっています。

贈与時期 非課税となる贈与額上限
一般住宅 長期優良住宅
2015年1月~12月 1000万円 1500万円
2016年1月~9月 700万円 1200万円
2016年10月~2017年9月 2500万円 3000万円
2017年10月~2018年9月 1000万円 1500万円
2018年10月~2019年6月 700万円 1200万円

 

■相続時精算課税制度

20歳以上の子または孫が60歳以上の親または祖父母から贈与を受ける場合、1人当たり2500万円までは非課税、これを超える部分についても一律20%の贈与税を納めれば済むという制度。2019年6月末までの住宅取得資金の贈与なら親または祖父母の年齢制限が問われいない特例もあります。

この制度のメリットは、親からの贈与について2500万円までは非課税、それを超える分については20%の税率で済むという節税効果にあります。

一方、デメリットとして「相続税が増税されるリスク」により、相続税が課税される可能性がありまする。また、この制度を選択(ただし父、母でそれぞれで選択可能)した場合、取り消すことはできず、贈与税の基礎控除(年間110万円)も使えないというデメリットもあります。

弟子丸
ありがとうございました。
家を買うって言っても、お金の問題がいろいろついて回るんですね・・・
部長
今回は「購入時」「保有期間」の2つの時期にかかる税金を教えてあげたけど、さらに「売却時」についても勉強しといたほうが良いと思うぞ。
弟子丸
なるほど、、、「売却時」にも税金かぁ〜。たしかに永住ではなく売却も視野に入れた物件選びをしているしなぁ・・・・
弟子丸
これを機に、税金についてもっと勉強して行きたいと思います!!
では、早速行ってきます。
弟子丸
おい、弟子丸。仕事をしろ〜っ!! 

 

不動産に関する税金は、「購入時」、「保有期間」、「売却時」の3つの時期にかかり、それぞれ税金の種類が異なります。

「購入時」にかかる税金 印紙税【国税】、登録免許税【国税】、不動産取得税【地方税】
「保有期間中」にかかる税金 固定資産税【地方税】、都市計画税【地方税】
「売却時」にかかる税金 所得税【国税】、住民税【地方税】

「売却時」についてはまた別のエントリで紹介させて頂くとともに、これからも「お金」や「制度」についての情報を「物件情報」と平行しながら調べて行きたいと考えております。