地震大国である日本では、長年「地震に強い家」が求められてきました。
一昔前は「耐震」構造のみでしたが、今では大きく3種の選択肢があります。
- 「耐震」・・・地震に耐える(頑丈につくって揺れに耐える)
- 「制震」・・・地震を制する(ダンパーや特殊フレームで揺れを制御する)
- 「免震」・・・地震を免がれる(地盤と建物の間に装置を挿み、建物への揺れを免除する)
「耐震」「制震」は、建物に伝わってきた地震の力に対しての対策なのに対し、
「免震」は、建物へ伝わる地震の力を少なくするための対策となっており、考え方が大きく違います。
建物に地震の力が伝わるのと伝わらないのでは、建物へのダメージや建物内部での揺れなど歴然の差があると聞きます。よくテレビやネット動画などでも、比較動画がありますよね。
こういうのを見ると、「免震」って安心だな〜と多くの方が思われるでしょう。
しかし、そんな中での「東洋ゴム免震事件」・・・
2015年3月、東洋ゴム工業による免震装置の性能偽装が発覚。
この事件で、4月末時点で大臣認定不適合(=不合格)の「共同住宅」が合計で74棟に達することが分かり、マンション各社、免震マンション入居者へ大きな動揺をもたらしました。
安心して暮らしたいから「免震」採用マンションを購入したはずのに、
「自分のマンションは性能大丈夫だろうか?」
「東洋ゴムの免震だったら、資産価値はどうなる?」
などと、逆に大きな不安をかかえることになってしまった方々がいるのは、なんとも残酷な話です。
そんなこともあり、「免震」が本当に安心なのか?と疑問視する声も出てきているようで、
これに対し、マンション販売各社も即時対策をしてきているようです。
三菱地所レジデンスのザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンスでは、営業の方から連絡を頂きました。
「うちの物件は、オイレス工業製品を導入しているため、問題ない」と。
オイレス工業ってあまり知られていないかも知れませんが、実は免震装置でシェアNo1の会社なんです。こうやって実社名を聞けると、より好感・安心感が増しました。
さらに、都心物件ではないのですが、
たまたまポストに投函されていたナイスの物件のチラシには、「東京駅と同じブリヂストン製の免震装置を採用」と大々的に記載されていて、こちらもしっかり見える化されることによってやはり安心感を抱けるのではないでしょうか。
不動産業界って結構、隠したがる体質と言われてきましたが、
このように「免震」について不安や疑問視も出てきたことで、ただ「免震採用」を謳うだけでは通じず、「どんなメーカー製のどんな特徴がある免震採用」とまで公表していくことが今後ますます求められてくるのではないでしょうか?
むしろ、この辺が今まで消費者に対してきちんと「見える化」されていなかったのも不思議ですけどね。