『液状化』よりも気にするべきこと その1

液状化被害

誰もが忘れない、2011年3月11日午後2時46分。3.11東日本大震災。
多くの方が、何かしらの被害を受けられたのではないでしょうか?
そしてこの大地震以降、一気に「液状化」の認知度が上昇しました。

液状化とは、一見硬そうな地盤が地震の揺れで一時的に液体のようになってしまう現象です。
通常、地盤は土や砂・水・空気などが均等に混ざって構成されています。
しかし、地震等の大きな揺れによって、これら安定していた土・砂・水が分離され、地盤が水に浮いたような状態になってしまうのです。
その結果、地上の建物や道路などが沈下したり傾いたりするだけでなく、水道管が浮き上がり断水するなどライフラインへの影響も甚大です。

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埋立地などは、昔から大地だった土地と比較すると、どうしても地盤が緩いため,

この液状化が発生しやすいです。
そして、知ってる方も多いと思いますが、実は都心部も埋立地が多いんですよね・・・

中央区で言うと、八重洲や日本橋、銀座〜晴海あたりは昔は川でした。
港区も芝浦などの港南エリアは川でした。
これらは江戸時代以降の埋め立てによって、現在の土地になっています。

そしてこの埋立地の中でも最も埋め立て時期が遅く、海に近いエリアについては
湾岸エリアなんて呼ばれています。豊洲や有明など江東区がメインですが、
都心でいうと中央区の勝どきや月島、晴海あたりがこの湾岸エリアに被ってきます。

3.11東日本大震災以降、この湾岸エリアのマンション価格相場は軒並み下がりました。

その原因のひとつが「液状化」です。

3.11東日本大震災によって、千葉県の浦安市に甚大な液状化被害が発生しました。
道路は波打ち、地面は水浸し、電柱などが倒れ、マンホールは飛び出し・・・・
建物が傾いたりもしたそうです。
そして、地震から約1ヶ月間、上下水道、ガス等のライフラインが使えなくなってしまい、
この模様はニュースなどでも取り上げられていました。
付近のマンション資産価値も大幅に目減りし、不動産売却時にはかなり安くなってしまったようです。

自分の住んでいるマンションがこのように液状化によって破壊されたりしたら嫌ですよね?
上で出てきた浦安も湾岸エリアと同じ埋立地です。
幸い、3.11東日本大震災では、湾岸エリアでは
豊洲などの一部で液状化の現象は見られたものの、被害レベルではなかったようです。
しかし、震源地や地震規模によっては液状化被害が出ていたかもしれません。

こんな場所にあえて住みたいと思われる方は、少ないでしょう。

そこでデベロッパー各社は、このイメージを払拭する為に
震災後着工のマンションには液状化対策を施し、防災備蓄倉庫や非常電源なども装備した
震災対策済みのマンションを造ってきました。

支持層まで直接杭を打込み、さらに免震装置を設置。
ここまでやれば、大型地震がきても建物自体は、ほぼ100%問題ないでしょう。

ただ、周囲の道路や空地に関しては
全部が全部液状化対策できている訳ではないので、
周辺の道路や空地などについては液状化のリスクが残っている事に間違いはありません。

こちらのマップは、東京都が液状化の可能性を3段階で示したマップになります。

液状化マップ 東京

画像引用:東京都土木技術支援・人材育成センター技術支援課HP より

都心も結構、「液状化の可能性がある地」となっているエリアが多いんです。
しかも、中央区なんて、ほぼ全域が「液状化の可能性がある地」ではないですか?

そして都心から西の方に行くと、液状化リスクは低くなっていくようです。

「よし、じゃあ、西側のマップで緑のエリアなら安全だからそこに住もう!」と考えられる方もいるかもしれませんが、少し待ってください!

「液状化」がないことが、本当に安全なんでしょうか?
「液状化」がないことが、震災時の安心につながるのでしょうか?